今年2つめの観劇は、パルコ劇場40周年記念公演「国民の映画」
三谷幸喜さんの作品で、1940年代のドイツ・ベルリンを舞台に、宣伝大臣ゲッベルスと映画人たちとの間で繰り広げられる人間ドラマです。
初演の時は3日目に311の震災があり、余震が続く中で千秋楽を迎えたという作品で、三谷氏が再演を願っていた作品とのこと。三谷ワールドのコミカルな一面がある反面、色々と考えさせられる部分も多く、ずっしりとした見応えがある作品でした。
あまり書くとネタバレになるので一つだけ軽く書くと・・・「なぜ虫の命を大切に思う人物が人の命を軽視するのだろう」ということ。
〇 上の意向を重んじたのか
〇 恐れをなしたのか
〇 虫けら以下と考えたのか
舞台では答えは見えませんが、色々と考えてしまいました。
とても重く、しんと考え込んでしまったのはラストシーン。
映写機がからからと回る
不機嫌な表情で座るゲッペルス
その横に立つフリッツが、登場人物たちの後日談を淡々と読み上げる。
全登場人物の最期を語り終わった後に「以上でございます」のセリフ
そして舞台が暗転で幕
三谷作品らしからぬ重いエンディングでズシーっときました。
という訳で、今年から始めた役者さんを勝手にレーティングです。
今回は全員ではなく、何人かをピックアップしてみました。
【採点表】 ×<▽<△<●<〇<◎の6段階評価
小日向文世さん ●から〇に修正
足を骨折していたらしくびっこをひきながらの熱演。プロ根性の素晴らしさを感じると同時に、痛々しさが気になって仕方なかったのです。
↑
足を引きずっていたのはゲッペルスが足が悪かったからとのご指摘を頂きました。(コメント欄をご覧ください)
さささん、記事をお読み頂いたこと、コメントでのご指摘を頂戴したこと感謝申し上げます。そして、小日向さんには失礼いたしました。
段田安則さん 〇
影の薄い役ですが重要な役どころ。
嫌な奴を演じているのですが、何かコミカルで良かったです。
渡辺徹さん 〇
色々な意味で存在感抜群!
あまり好人物とは言えない役なのですが渡辺さんのコミカルな雰囲気の演技で救われている感じがしました。
小林隆さん ◎
相変わらずの素晴らしい演技。舞台劇を見るようになってからフアンになった役者さんです。今回も素晴らしい呼吸の演技で色々と魅せてくれました。
秋元才加さん △
がんばっている感は好感。
「へ~、結構できるんだ~」という感じ。
ただ、何というか薄い感じで、「秋元さんでなくても・・・」という感じもしました。
小林勝也さん ◎
圧倒的な演技力と表現力
瞬間的にスイッチが入るというのか、むしろスイッチが入ったことが分からない位の自然な感じで劇中劇的に全く違う役柄を演じるのが凄かったです。
風間杜夫さん 〇
舞台では初めて観ましたが、やっぱり上手さを感じました。
存在感っていうのか、恐らく手の動きや足の動き、ちょっとした動作などだと思うのですが、いるだけで何かを感じさせる。
そして、ピアニストさん (荻野清子さん) ◎
舞台上にずっといるのですが当然、セリフはなし
ちょくちょく芝居に絡んでくる時の表情と仕草が良かったので◎です。
【国民の映画】
2/08~3/09 東京 パルコ劇場
3/13~3/16 大阪 森ノ宮ピロティホール
3/21~3/23 愛知 刈谷市総合文化ホール
4/04~4/06 福岡 福岡市民会館 大ホール